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「地方独立行政法人化」に対する
        府職労の立場と取り組みについて


                      2003年5月

                大阪府職員労働組合執行委員会

 1.国会に上程された法案の内容

 425日に、試験研究、大学、地方公営企業法適用事業などを対象にした「地方独立行政法人法案」が国会に上程された。政府は今国会で成立させ、044月の法施行をめざしている。
地方独立行政法人は、民間企業の参入が期待しにくい事務事業に、これを行う組織を地方自治体から切り離して別組織にすることで、経営収支面での「独立」性を強調し、人件費の切り下げを図ろうとするものである。
また、地方独立行政法人は、公務員型と非公務員型の二つの制度を置くとしており、この選択は設置団体の判断に委ねられるが、いずれの法人職員も理事長が任命することになる。法人設立時に該当職場に所属する公務員は別辞令を発せられない限り自動的に法人の職員となり、「非公務員型」の法人の場合には、公務員の身分を失うなど、職員の身分や権利、労働条件にかかわる重大な問題を持つものである。

2.   
地方独立行政法人の問題点


(1)自治体業務の実施部門を切り離し、自治体業務のアウトソーシングを拡大

 総務省は、地方独立行政法人制度を導入する意義を「『行革』・アウトソーシングのツールの一つ」「実施部門のうち事務・事業の垂直的減量を推進」「地方行革に機動的、戦略的に対応するためのツール」と説明している。企画・立案部門は自治体に残すが、他の直接サービス部門は自治体から切り離し、アウトソーシングを拡大する手法として新たに導入するもので、自治体の「企業再編リストラ」である。


(2)住民サービス後退の恐れ・公的責任が不明確

地方独立行政法人は、「住民サービスの見地から確実に実施される必要のある事務・事業のうち、自治体が直接実施する必要はなく、しかし採算性に乏しく民間にゆだねては実施されない恐れがあるものを効率的・効果的に行わせるため」に設けることを目的としている。その対象業務は、イ.試験研究 ロ.大学の設置・管理 ハ.地方公営企業法適用8事業(水道、工業用水道、軌道、自動車運送、鉄道、電気、ガス、病院等)の経営 ニ.社会福祉事業の経営D公共施設の設置・管理と広範であり、そのほとんどは「不採算部門」である。
またいずれも「企業会計原則」により「経営効率」が強調されることから、事業自体が切り捨てられたり住民サービスの後退や利用料の負担が増加したり、また地方独立行政法人の運営は、設立団体の長より選任される理事長の裁量が大きく、住民の意見が直接及ばず新たな利権・腐敗が増幅される恐れが大きいなど公的責任が放棄される。

(3)住民自治・住民参加、議会の関与が後退・空洞化

地方自治体では情報公開条例が制定され、住民が事務事業を監視するために活用されている。
 また、地方議会の下では、議員による公開の審議を通じて行政に対する住民による監視と統制がされている。しかし、地方独立行政法人では、地方議会の議決は「中期目標」や利用料金の上限の認可、解散などに限定されており、年度計画や内部組織の改編は法人の長に裁量が認められ設立団体の長に届出や通知がされるだけで議会の議決は規定されていない。これでは、議会の関与が後退・空洞化し、住民の意思を十分には反映しない運営となる。
 議会の関与が後退した代わりに、「評価機関」が設けられるが、法人と独立して公正に評価や是正ができるかどうかは未知数である。

(4)自治体労働者の身分保障と権利の剥奪

地方独立行政法人制度は、自治体労働者の身分保障と権利にとって重大な問題で、民間の分社化の手法に近い。法人職員となった労働者は、「公務員型」、「非公務員型」を問わず、法人の業績を理由にして給与が引き下げられるなど勤務条件が極めて不安定になる恐れがある。
大きな問題は、イ.中期目標(首長が35年の目標を作成・指示、議会の議決)ロ.中期計画(地方独立行政法人が作成、首長の認可) ハ.各年度計画(地方独立行政法人が作成、首長に届出)の各段階で目標管理がなされ、これを自治体に設けられる「評価委員会」がチェック、評価基準はあくまで「経営主体」の立場からの評価であり、その評価によっては、業務が継続されない、法人そのものの解散(全員解雇)もあり得る、法人の実績、職員の業績を反映した給与の仕組みが導入され、徹底した成果・成績主義賃金が導入され極めて問題である。

3.大阪府における「地方独立行政法人化」の動き

「府行財政計画案」では「全国一、スリムな組織づくり」の大きな柱として、「試験研究機関、病院、大学などを対象に民間の経営ノウハウを取り入れ、自主的運営を行う地方独立法制法人化の検討を積極的に進める」とし、大阪府は、国への重点要望で「早期に法制度を求める」としてきた。国の法案上程を受けて、当局内部での検討がすすめられ、6月から夏にかけてまとめようとしている。
また、独立行政法人化の前に、組織の再編統合や人員削減、スリム化などがすでに着手されており、それらに反撃する闘いを職員と府民との世論と運動を広げていかなければならない。 

◇府立の病院における動き

(1) 大阪府は、「府政全般にわたる構造改革」の一環として、「府立の病院の改革」に取り組むとして、018月に大阪府衛生対策審議会に「今後の府立の病院のあり方、果たすべき役割について」を諮問し、029月に答申が報告された。府当局は12月に「府立の病院改革プログラム案〜診療機能の見直し編」を公表し、「診療機能の重点化」を柱に府立の病院の再編・見直しに着手した。

(2)   「府立の病院改革プログラム案」では、その構成を「診療機能の見直し編」と「運営形態の見直し編」の2部構成とし、「運営形態の見直し編」については、「中心テーマとなる府立の病院の将来の運営形態に関し、答申で示された選択肢である地方公営企業法の全部適用と地方独立行政法人制度のうち、後者の法制化の検討が現在国において進められており、この結果を待ってふさわしい運営形態を検討、決定する必要があることから、今後法制度の整備状況を踏まえて策定する」とされた。そして5月に病院事業局や各病院の総長・院長・事務局長などで構成される「運営形態検討会議」を設置し、9月府議会に向けて検討に入った。

(3)  029月の「衛生対策審議会」では、「運営形態の検討」として「現行の運営形態=地方公営企業法の財務適用の問題点」をあげ、「地方公営企業法の全部適用」と「地方独立行政法人制度」の比較検討を行っている。そのうえで、「地方公営企業法の全部適用は、現行の制度の中では病院経営の効率化に資するものであると評価できる」とし、一方、「地方独立行政法人制度については、詳細な分析・評価は国の検討結果を持つ必要がるものの、府立の病院の改革に関して、効果の高い新たなツールとして活用できる可能性も想定できる」として、「今後整備される地方独立行政法人制度の内容を注視しながら、府立の病院にふさわしい運営形態の具体化を図るべき」としている。
(国立の病院については、02年に個別法が成立し、044月実施の予定。大阪においては、国立循環器センターは法人対象外とされている)

◇研究機関における動き

(1)      府立の試験研究機関については、関係部局(所)において検討が進められている。産業技術総合研究所では、中堅・若手研究員を中心とした「所内勉強会」が開催され、それを基礎とした「独法化WG」において6月を目途に所の方向性が取りまとめられようとしている。
(2)   これに先立って、各試験研究機関に対して「20%以上の定数削減」が押し付けられ、公衆衛生研究所などにおいて組織の再編と大幅な定数削減が強行されている。

◇大学における動き

(1)   府立の大学については、0210月に策定された「大阪府大学改革基本計画」に基づき、「府大学改革具体化推進会議」を設置し、「大学の統合・再編」「大学の法人化」の検討が進められている。
(2)   「大阪府大学改革基本計画」では、054月を目途に「新生府立大学(仮称)」を開学するとして、法人化と統合再編(府立大学・女子大学・府立看護大学の統合と女子大学の廃止)、教職員の「非公務員化」を進めようとしており、文部科学省との協議も進められている。(国立大学の法人化法案は現在国会において審議中で政府は044月実施をめざしている)

4.地方独立行政法人制度に対する府職労の立場

 地方独立行政法人制度は、上記の問題点にあげたように「地方自治の本旨」を歪める制度であるとともに、自治体労働者にとっては、身分や権利・労働条件に重大な問題をもつものであり、「地方独立行政法人法案」の成立については、反対である。
府職労は、自治労連に結集して、今国会での成立を許さない立場で国会議員への「法案の成立を許さない」要請等の取り組みを強めるとともに、関連団体、府民、府会議員などに「法案」の問題点を広め、国民と府民の世論を高めて法案成立を断念させる闘いを推進する。
また、「地方独立行政法人」化の検討をすすめている大阪府に対し、府職労の立場を明らかにするとともに、導入反対の立場で、申し入れや交渉等の取り組みをすすめる。

5. 当面の具体的取り組み

(1)国会闘争の強化
   自治労連よびかけの国会要請行動等に積極的に参加する
(2)府当局に対する取り組み
   イ. 府当局に、「法案を成立断念すること」を国に働きかけるよう、申し入     れる
   ロ.府当局に、府民サービスの低下、職員の身分・権利の保障に重大な問題     を持つ「独立行政法人化」については、実施しないよう求めるとともに、検討状況を明らかにさせ、府職労との十分な協議を求める。
(3)   職場での取り組み
  イ.学習会の開催 65日(木) 1845〜エルおおさか606号室                自治労連中央執行委員  松本 利寛 氏
   ロ.
病院、試験研究所等分野ごとの学習と府民懇談を開催

ハ.各病院、研究所の所属長に、「独法化」を行わないよう申し入れ・上申 行動を行う。
ホ.対策会議の設置と開催
   対策委員会の構成=本部、病院、研究機関、大学に関連する支部メン  バー
対策会議設置の目的=各分野の問題や取り組みをそれぞれで取り組みを 推進・強化しながら、共通する独法化の問題で当局交渉、府民宣伝、決 起集会の開催などを協議・具体化する場に位置づける。
ヘ.当面、職場での学習会などの取り組みを強めながら、9月府議会に向 けて、府民宣伝、議員要請、決起集会の開催などを別途、具体化する。