2009年2月15日「大阪国際児童文学館と大阪府立図書館を考える集い」を開催しました



 2月15日(日)、「大阪国際児童文学館と大阪府立図書館を考える集い」を開催いたしました。


 この集いは、8万6千筆以上の署名や、府議会の請願採択(全会一致)などで示された多数の反対意見にも関わらず、橋下知事が進めようとしている大阪国際児童文学館の府立中央図書館への統合を食い止め、一方で市場化テストによる民営化の危機に直面している府立図書館について、同テスト導入の問題点を明らかにし、その対抗策を考えることを目的に開かれました。参加者数は約250人で、茨城県や岡山県、新潟県など遠方からの参加もあり、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。 前半のシンポジウムでは、児童文学研究者の鳥越信さんをはじめ、日本図書館協会の塩見昇理事長や大阪公共図書館協会の西村一夫会長が、それぞれの立場から発言されました。


「集い」写真

 児文館の「産みの親」でもある鳥越さんは、児文館設立の経緯や図書館とは異なる機能・役割を説明され、現地存続を強く訴えられました。また、移転・統合への対抗策として、すべての寄贈者が資料の返還を求めてゆくことを提案されました。これは、児文館が有する資料の内、約7割が寄贈資料であることから、それらが返還されると移転資料が激減し、現在の移転計画が成り立たなくなるためです。(知事は要求があれば返還すると発言しています)


 塩見理事長は、図書館の基本的な役割や機能を説明された上で、大阪府が現在進めようとしている複数の施設で所蔵している資料の集約化や、図書館民営化の問題点を指摘されました。図書館のような施設の運営方法を経済的な観点だけで判断すると、後世に禍根を残すことになるとも述べられていました。また、日本図書館協会としても、大阪府に対して市場化テストの問題を指摘していきたいと述べられました。


 松原市民図書館の館長でもある西村会長は、市町村立図書館の立場から、府立図書館の民営化に対する危惧を表明されました。具体的には、府立図書館が有する市町村立図書館への支援機能(協力貸出・レファレンス、図書館間の調整、研修など)が維持される保障が無いことから、市町村立図書館でもサービス低下を招く可能性があることを示唆されました。また、有効な手立てを講じるのは難しいとしつつも、大阪の図書館をどうしていくのかといった、「大阪版これからの図書館像」を提示していくことが一つの方策になると提案されました。


「集い」写真

 後半の特別報告では、図書館問題研究会の西村彩枝子さんが、図書館業務の委託等が進んでいる東京都の状況について、「官製ワーキングプア・職員の非正規雇用」が広がっていると報告されました。意見交換では、児文館職員や府立図書館職員のほか、児文館を育てる会や博物館、学校図書館の関係者など、多くの方が発言され、非常に熱気の籠った議論が交わされました。


 集いの最後には、国際児童文学館の現地存続を求め、府立図書館の市場化テスト導入に反対するアピールを満場一致で採択し、当面する2月府議会に向けて運動をすすめることを確認しました。


 ご多忙のなか、遠方からも多くの方にご参加いただき、本当にありがとうございました。引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。