府職の友号外・WTCへの移転部局(素案)を発表 府民文化・商労・環農・住まち・水道・税務室など移転へ

1月25日、府当局は府職労に対し「(仮称)咲洲庁舎への移転部局について(案)」を説明し、WTCビルの購入を前提とした基本的な考え方、当面の移転部局、移転時期を示しました。

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当局は、基本的な考え方として、
【1】大阪府を代表する機能(知事室と議会)は、主たる事務所の考え方に基づき、大手前に置く
【2】咲洲庁舎(WTC)移転部局は、大阪市との連携部局を軸とし、庁舎として有効活用を図る観点から、①民間ビル借上げの解消、②所管する業務(部局間の業務の関連性、内部管理業務、業務の独立性など)③部としてのまとまり、④移転にかかるコスト等を考慮して、総合的に判断する
【3】府市連携の観点から、府市共同セクションを設置(検討中)
【4】庁舎に必要な機能として、迎賓機能、特別職待機室等を確保
という4点から検討し、当面の移転部局の素案を決め、連絡調整会議で各部局に説明し、意見集約することにしていると説明しました。そのうえで、具体的な部局の移転については、部全体として、府民文化部(府政情報室を除く)、商工労働部、環境農林水産部、住宅まちづくり部、水道部、人事委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会とし、業務の独立性の点から、総務部のうち税務室、財産活用課、統計課、庁舎管理課(分室)、教育委員会のうち文化財保護課としています。また、府市共同セクションとして、夢洲・咲洲のまちづくりなども検討し、迎賓機能や特別職待機室も設置するとしています。この素案による移転規模は、面積2万2500㎡、着席人員は約2100人としており、この移転により、現在の民間ビルの借上げとプレハブ庁舎も解消できる見込みであるとし、移転時期は平成22年秋頃から順次移転するとしています。説明に対し、府職労は「圧倒的な職員が望んでおらず、府議会でも庁舎移転が否決されたもとで、ビル購入のみを先行させ、移転を進めることは、労使のルールにも反し、府民の理解も得られない。一方的な説明は認められない」と追及しました。当局は、執務室スペースや職場環境の問題については「具体的な計画が進む中で、労使協議したい」と答えました。そもそも、WTCへの庁舎移転条例案については、府議会で過半数にも及ばず否決されました。しかし、橋下知事がWTC移転に固執するもと、WTCビル購入についての債務負担の予算のみが、府議会で認められ、WTCビルの購入を前提とした「第2庁舎―咲洲庁舎」構想が打ち出され、今回の部局移転(素案)が発表されました。85億円をかけてビルを購入するだけではなく、約40億円にも及ぶ耐震改修費も必要になることに加え、購入すればすぐに維持管理費も必要になります。それは465億円にも及ぶと言われています。言うまでもなく、WTCビルは防災上も多くの問題点を持っています。

府庁2分割 利便性の低下は必至

また、今回の部局移転を行えば、府庁は大手前と南港に2分割されることになります。そもそも橋下知事は、WTC移転を提案する際に「府庁は分散しているから分かりにくい、だから全部WTCに移転する」と言っており、今回の部局移転は当初の移転理由とも大きく矛盾し、職員・府民の利便性も低下します。橋下知事の進める庁舎移転計画が、1度破綻したベイエリア開発の起爆剤として、関西財界・大企業の要請に応えたものであることは明らかであり、咲洲地区の再開発やリニアモーターカーのような多額の財政を投入するのであれば、府民生活や福祉の向上、職員の賃金・労働条件の改善を行うべきです。

庁舎移転、府民も「評価しない」

毎日新聞の世論調査結果でも、WTC移転は「評価しない」という声が多数になっています。2月府議会で購入予算(現年化)・契約締結の議案審議が行われます。府職労は、議会で充分な審議が行われ「WTCビル購入よりも府民の生活・福祉に回せ」の観点から、議会への要請行動や府民向けビラの配布などの取り組みに全力を挙げます。

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