知って!私たちの職場(6)

府下唯一の公的障害者施設をつぶすことは許さない
(砂川厚生福祉センター)

砂川厚生福祉センターとは

1961年に設立された知的障害者・精神障害回復途上者の入所施設です。
18歳以上の知的障害者を対象として、自立と生活援助を目的とした更正施設と、就労自立と訓練を目的とした授産施設。生活保護法による知的高齢障害者、精神障害回復途上者対象の7つの寮からなる総合福祉施設です。

福祉に市場原理を持ち込むべきでない 府は公的責任を果たせ

「府行財政計画案による福祉の切り捨ては許さない」と怒りと決意を語る健福支部・砂川分会・秋田分会長を訪ねました。

Q 砂川厚生福祉センターは、「行財政計画案」では「一部民間移行」とありますが、具体的には、どういった検討がされているのでしょうか?

A 大阪府は、国の「社会福祉基礎構造改革」に呼応し、98年に「府立社会福祉施設等のあり方検討委員会報告」を受け、「行財政計画案」で「民間移行」を明記。今年5月に「砂川厚生福祉センターあり方検討委員会」が作られ、8月末には「素案」がまとめられようとしています。
「素案」は、強度行動障害者(注※)や社会的不適応者など、民間では対応困難な分野を当面公的施設で実施し、他の障害については、民間事業団に委託するといった内容が想定されているようです。これは、来年4月からスタートする「支援費制度」と相まって、公的施設を基本的に廃止し、福祉領域に市場原理を導入し、大阪府の公的責任を事業者と利用者の契約のための情報提供と調整役に後退・変質させていくものです。  政府与党が「重要法案」と位置付ける法案は、会期内にはひとつも成立しませんでした。そして、延長国会での攻防が大きな山場をむかえています。 有事3法案では、アメリカの戦争を支援するための日本での「戦争国家づくり」法案であることが明らかになり、まともな政府答弁もない状況です。草の根から地域連絡会が広がり、港湾や運輸、宗教者など広範な共同の広がりによる成果でもあります。また、医療改悪法案も、参院参考人質疑で日本医師会をはじめ、全労連・連合の代表も「断固反対」を明言しています。一回でも審議が遅れれば成立できない状況があり、宮路厚労副大臣の「口利き」問題での辞任で強行成立を狙っています。
延長国会で取り組むべき重要課題は、汚職と腐敗、「口利き」など「政治とカネ」の問題での徹底究明です。19日の、医療改悪反対・有事法制許すなの中央行動・大集会へも府職労から代表が参加しました。なんとしても4つの悪法を継続審議でなく、火種を残さない廃案に追い込み、小泉内閣退陣に向け、職場・地域からの延長国会終盤への闘いを大きくひろげていきましょう。

Q 来年4月からスタートする「支援費制度」とはどういった内容ですか?障害者施設や施設入所者は何が変わるのですか?

A 従来の「措置制度」では、福祉サービスを利用する場合は、障害者・家族が福祉事務所に相談・申請し利用。費用は国・自治体の責任で措置費として施設等に支払われていました。
今回の「支援費制度」では、障害者(利用者)が事業者と私的契約を結び福祉サービスを利用することとなります。行政の責任は国・府から市町村に移り、サービス利用を支援するという位置づけが変わります。
利用者の負担金の徴収は、施設の自己責任で、滞納があれば施設経営を圧迫することになりかねません。重い障害や支援費3年で改善がされない場合、事業者による逆選別の危険性もはらんでいます。
まさに、福祉が権利ではなく、金しだいで、サービス利用に変えられることは、障害者の人権侵害・憲法違反です。

Q 「府直営施設の廃止」に対して、分会はどんな考えですか?またどんな取り組みをされてますか?

A 大阪府直営の障害者施設は、職員の配置など条件面で国基準を上回り、生活支援や就労訓練など専門職を配置し運営してきました。この間革新府政時代に作られた制度「公私間格差是正制度」(公立施設と民間施設で働く職員の給与の格差をなくす制度)も廃止されました。
直営施設は国の政策に追随した府の行革リストラで、88年の八尾学園に始まり、明光ワークス、百舌鳥学園など軒並み市や事業団等への委託が強行されました。企業参入に邪魔になる府立施設を廃止し、補助もなくす、同時に府の負担も大幅に減らすという方向は、絶対許せません。
私たちは、東京都の障害者施設の全てが民間に委託された現在、大阪府下唯一の公的な障害者施設をつぶすわけにはいきません。
分会は、昨年5月に「大阪府立社会福祉施設の存続・発展をすすめる会」に参加して、学習会や府交渉や、「大阪府立直営で存続・発展をめざす請願署名」にも積極的に取り組んできました。
今後も、施設利用者や家族、府民に訴え、ともに考え、府の公的責任を求めて共同の運動を広げていきたいと思っています。

(注※) 強度行動障害:障害が起因して、つめをはいだり、頭部が変形するような叩きなどのひどい自傷行為や噛みつき、蹴りなどの強い他傷行為、特定のものしか食べない極端な偏食、脅迫的な排尿排便行為などをいう。

(府職の友・2002年8月11・21日付より)