平成20年度暫定予算編成要領」に関する申し入れ

大阪府知事 橋下 徹 様

大阪府関係職員労働組合
執行委員長 平井 賢治

「平成20年度暫定予算編成要領」に関する申し入れ

 大阪府は2月11日付けで「平成20年度暫定予算編成要領」を通知した。

府職労や多くの府民が中止を求めたムダな巨大開発や大企業誘致などの大判振る舞いを、事実上のオール与党の議会承認を経て維持・拡大し、現在大阪府の借金は5兆円を超すまでにふくれあがっている。その原因究明も、それを推進した知事・議会・歴代幹部の責任も明らかにせず、大阪府は「行財政計画(案)」(01年)、「行財政計画(案)改訂版」(04年)、「行財政改革プログラム(案)」(06年)と次々に財政健全化策を出し、府民施策・職員人件費にそのツケを押しつけてきた。

その上、橋下知事は2月6日就任において、「財政非常事態宣言」を発し、今後の予算編成にあたり、府のすべての事業、出資法人および公の施設をゼロベースで見直し、歳入の範囲内で予算を再編成、しかも4月から7月までに暫定予算として編成する、としている。

この暫定予算での問題点は、

1 本来、福祉・医療・教育など当然年間単位で予算を組み、府民のいのちと暮らしに重大な影響を及ぼすものまで、7月31日までの暫定予算としていること、
2 新規事業の計上は原則行わないとし、府審議会で答申している事業についても(住まち審答申「密集住宅市街地整備促進事業費補助」など)不計上としていること、
3 市町村では府補助事業の見通しがたたないこと、

など住民サービスに影響することは必至である。

また、職員に対しては、互助団体への補助金全廃と一時金カットのさらに3年継続の提案をしてきたが、地公法42条で地方公共団体に義務づけられた職員の厚生に関する事項を無視するものであり、公務員の賃金を決定する情勢適応の原則を踏みにじるものである。

かつて黒田府政時代に「財政非常事態宣言」を発表したが、「財政危機でも府民のいのち、くらしに重大な影響を及ぼす施策は執行留保の対象外」とし、老人医療、私学助成、緊急医療対策補助金などは予算化し、大企業の社会的責任を発ししてもらうとして法人事業税の超過課税率を制限いっぱいに引き上げ、国に働きかけ減収補填債を認めさせる、などの取り組みを行っている。

知事は、公の施設27のうち2つの図書館以外すべて廃止・売却すると発言しているが、府民の切実な要求で実現したものもあり、廃止・売却することには反対である。出資法人の民営化・廃止についても、全国的にも事業を民間委託する自治体が増えているが、事業を落札できなかった会社の社員が失業したり、競争入札で落札価格が下がり賃金にしわよせされたりと官製ワーキングプアを生みだし、委託先の会社で働く人に雇用不安が起きている。

「平成20年度暫定予算」について、府民と職員に犠牲を強いるという重大な問題をはらんでいることから、下記事項について強く申し入れる。

1.「暫定予算編成要領」は、府民福祉を後退させ、職員には労働強化と賃下げを押しつけるものであり、再検討すること。

2.年間を通して府民生活に必要な予算は期限をはずし、予算計上すること。

3.市町村向け補助金等にかかる予算のうち暫定予算において不計上となっている事業について、各審議会の答申内容を尊重し、予算計上すること。

4.平成20年度の本格予算編成にあたっては、財政危機の原因と責任を明らかにし、ムダな大型開発や大企業誘致の補助金、同和事業などは廃止・凍結するとともに、府民施策の後退を行わず、府民本位の財政再建を進めること。

以 上

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