府立病院機構職員の非公務員化と府職員の早期引き上げを撤回し、政策医療の推進と安心・安全の医療の確立を 「大阪府立病院機構の新たなマネジメント戦略」についての見解

「大阪府立病院機構の新たなマネジメント戦略」についての見解

2010年1月28日 大阪府立病院機構労働組合
本部執行委員会

1.大阪府立病院機構は、1月13日に開催された大阪府戦略本部会議で法人職員の非公務員化や府の派遣職員の府への引き上げ、職員のプロパー化などの「大阪府立病院機構の新たなマネジメント戦略」(以下「マネジメント戦略」とする)の説明を行った。


大阪府は、全国に先駆け府立5病院を独立行政法人(公務員型)にし、今回、国の法律にさえない公務員型から非公務員型に移行することは、府の責任を放棄し、民営化への布石であり断じて許されない。
今、「公立病院改革プラン」により、病院の統廃合、民営化、独立行政法人化がすすめられ、地域医療の崩壊が始まっている。今こそ、公立病院をまもり地域医療の再生が求められているときに、時代に逆行していると言わざるをえない。

2.「マネジメント戦略」は昨年、橋下知事が府立の5病院の職員を公務員型から非公務員型にし、府の派遣職員を早期に引き上げるよう、検討を指示し病院機構が策定した。
「マネジメント戦略」では、㈰各病院の自律化として、職員の給与、リース代の府負担分を国基準にする㈪職員のプロパー化とし、平成22〜25年度でプロパー職員を13人から103人に増やし、府派遣職員を116人から23人に減らす㈫平成24年度当初に非公務員化の制度の導入㈬経営改善による施設の充実を挙げている。
しかし、7対1看護体制導入後、成人病センターでは、2年間で6割の看護師が退職し看護師の満足度は20%台となりメンタルヘルスで休む看護師が増大した。どの病院も看護師不足が深刻で、夜勤が月10日を超える病棟も出ている。看護学生の間では、府の病院に働くと「廃人になる」とさえささやかれている。非公務員化は、このような今でも過酷な労働実態をより深刻にし、看護師不足に拍車がかかり、日本一の病院どころか、病院の存続さえあやぶまれる事態となるだろう。また、目標管理の強化、成績主義の導入はチーム医療を破壊し、モチベーションの低下となり離職につながることは明らかである。

3.病院機構は非公務員型への移行の考え方として「医療環境の変化に柔軟に対応できる」としているが、「現在の公務員型でどんな問題点があるのか」との追及には答えていない。また、非公務型に移行するには、今の法人を一旦解散し、新たに設立の手続きが必要であり、経費もかかり国の法改正をしなければならない。病院機構は課題として人材確保、特に看護職の離職・新規雇用への影響があるとデメリットも認めており、非公務員化するメリットは何もない。府の派遣職員の一挙引き上げ、現業職員の非常勤化・委託化は、低賃金・不安定雇用労働者を増やし、働きがいのない職場をつくり、安心・安全の医療を脅かすものである。

4.成人病センターの現本庁舎付近に建て替えを強引に推し進め、非公務員化、府職員の早急な引き上げと橋下知事の現場を無視したトップダウンのやり方は、府民・職員に理解が得られない。
自治体病院の役割は、医療水準の向上、高度専門医療、不採算医療、地域に不足する医療の補完などであり、府の施策と切り離すことはできない。そのことからも、非公務員化と府職員の引き上げには道理がなく反対である。
私たちは、大阪府立病院機構が職員の身分・賃金・労働条件に重大な影響を及ぼす内容にも関わらず、病院労組との協議や職員への説明もなく戦略本部会議に提示したことに抗議するとともに、「マネジメント戦略」を撤回し、府立の病院として政策医療の推進と安心・安全の医療の確立に努めるよう強く求める。