「自宅療養」増えれば命は守れない 保健師、職員の増員を求め、 知事と健康医療部長あて申入れ

拙速なシステム導入では 府民の命は守れない

 大阪府は「宿泊療養の迅速化」を打ち出し、7月26日より「宿泊療養システム」の運用を開始しました。しかし、開始当初より「搬送車(タクシー)が不足し、当日入所できない」「システム入力後、何時間経ってもタクシー会社からの連絡がない」などの声が届いています。また、第5波の感染が急増するもと、当日の入所どころか翌日の入所すら困難な状況になっています。
 自宅療養が増えれば、日々の健康観察や症状悪化時の対応等、保健所の業務は増加する一方で、第4波で経験したような症状悪化時に搬送先が見つからない事態にもなりかねません。
 こうした状況を踏まえ、8月5日、府職労本部と健康医療・保健所支部は、①健康医療部、保健所への大幅な増員、②職員の命と健康を守るための過重労働対策、③宿泊療養のための施設確保と体制整備(搬送車(タクシー)の大幅増、オペレーターの増員等)、④「大きなトラブルなく、当日療養できている」という誤解を生じる情報発信ではなく、翌日入所も困難となっている実態の発信と現場の実態や意見の集約について申入れました。
 申入れには、府職労の小松委員長、樋口書記長の他に、健康医療・保健所支部の茨木副支部長も同席し、職場実態をもとに、体制整備を強く申入れました。
 申入れ内容は次のとおりです。

現場の声を聞き 府民と職員を守る体制を

 第5波に備えた「宿泊療養システム」の導入については、7月20日に健康医療部より情報提供があり、7月21日に吉村知事が記者会見で公表しました。これまでの間、私たちは「もっと現場の声を反映させた対応を」「十分な周知と体制整備を」と求めてきましたが、今回の「宿泊療養システム」の導入についても十分な意見集約は行われませんでした。その後、連休中に各保健所へ説明し、26日より運用が開始されたところです。
 運用開始直後から私たちの指摘どおり、問題点が噴出し、「宿泊療養の迅速化」どころか、さらに時間を要する事態にもなっています。
 コロナ対策を円滑に進めるには、何よりも人を増やすことが決定的に重要です。長引くコロナ対策で多くの職員が過労死ラインをはるかに超える過重労働を強いられている状態が放置されたままとなっています。
 こうした事態を解消し、府民の命と健康を守る対策に全力をあげるため、以下のとおり申し入れます。

1 健康医療部、保健所に保健師、職員を大幅に増やすこと。業務委託や派遣労働者による対応ではなく、正規職員の増員を行うこと。あわせて不急の事業の休止・見直しを行い、保健所等への応援体制をとること。
 また、派遣の保健師や看護師を配置する場合は、予定どおり配置されるよう責任をもった対応を行うこと。

2 職員の命と健康を守るため、過労死ライン(単月時間外勤務100時間以上、2~6ヵ月間平均で80時間以上の時間外勤務)を超えている職員に対し、勤務間インターバルを設ける、休養期間を設ける等の具体的・効果的な措置を講じること。そのために必要な人員を配置すること。

3 「宿泊療養の迅速化」システムについては、保健所職員の声を踏まえて再検証し、体制を整えること。とりわけ、宿泊療養の迅速化に必要不可欠なタクシー台数の確保とオペレーターの増員、保健所職員増を行うこと。

4 知事が記者会見で「大きなトラブルもなく、当日療養できている」など、現場の実態と異なり誤解を生じるメッセージが発せられています。オペレーターや搬送車(タクシー)が不足していることやホテルの空きがなく、翌日入所すら困難になっている実態等を正確に発信すること。また、今後は現場職員への周知や意見集約を終えてから公表するようにすること。

 申入れの最後に小松委員長は「①本庁も保健所も府庁一丸となってコロナ対策に全力をあげている。効率化やシステム化も必要かもしれないが、現場にマッチしなければ意味がないし、逆効果になることもある。トップダウンではなく、もっと現場の声をしっかりと聞いた対策を行ってほしい。②コロナ対策には、まず何よりも病床や療養施設などの受け皿と人の確保が必要であり、そのことに全力で対応してほしい。③明らかに過労死ラインを超えている職員も多く、過重労働対策は急務になっている。職員の命や健康が奪われるようなことが起これば、取り返しがつかない。『産業医が面談している』では済まされない。職員を守るための実効性ある取り組みをお願いしたい」と述べました。
 府職労は、引き続き、現場の声を集め、取り組みを進めます。

 

【現場(保健所)から寄せられている声】

・オペレーター1人の配置ではシステムに対応ができない。
・システムによる搬送調整依頼後、タクシー会社からの返事に何時間もかかる。
・夕方16時を過ぎて「搬送できない」という連絡があった。
・搬送車(タクシー)が確保できず、搬送予定が大幅に遅れている。
・配車の調整がうまくいかず、そのたび再調整メールが届き、再度依頼しなければならないので負担が増えている。
・朝10時の時点でホテルの空きがなく、10時半の時点で搬送車がないという状況。前日の積み残しの方の療養も決められず、当日どころか翌日の入所もできない事態になっている。

2021.08.06 コロナ・宿泊療養申入れ

 

 

 

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