府労組連夏季要求交渉 総務部長最終回答速報

切実な職場実態から目を逸らす不誠実な回答
「非常勤職員の病休有給化を検討」の回答引き出す
全世代の賃上げ、オンコール手当実現、欠員解消めざし、秋の交渉へ

 6月20日、総務部長は府労組連に対し「2025夏季要求書」にかかる最終回答を行いました。

 総務部長から示された最終回答では、この間、府労組連が強く要求し続けてきた非常勤職員の病気休暇の有給化について「現行の府における付与条件や付与日数及び国制度を勘案して検討していく」との回答を引き出し、有給化に向けた足がかりを得ました。常勤職員の部分休業・子育て部分休暇について「令和7年10月から1年につき10日(令和7年度は5日)相当時間数の範囲内で取得することを選択できるよう制度を拡充する」「地方職員共済組合における人間ドックのオプション検査について、一部助成を拡大するとともに、予防接種の助成金額について引上げを検討していく」との回答も引き出しました。
しかし、府労組連がこの間の交渉で強く求め、現場の実態を踏まえて厳しく追及してきた ▼全ての職員の賃上げ、▼常勤非正規教員の2級適用、▼通勤手当の実費支給、▼オンコール手当(待機に対する手当)支給、▼災害・水防等の呼出時からの時間外勤務手当支給、▼職員・教職員の長時間労働解消、▼業務量に見合った職員配置、欠員補充、▼正規教職員増、「穴あき」解消、▼子の看護等休暇の要件・日数拡大、▼不登校の子や障がいのある子を養育する職員が取得できる休暇制度、▼家族休暇、リフレッシュ休暇、保育特別休暇の復活、▼更年期障がいの場合に取得できる休暇、▼非常勤職員の賃上げ、上限3年ルール廃止、特別休暇有給化、▼全職場に休憩室設置、全職場・学校のトイレ洋式化、温水洗浄便座・便座除菌クリーナー等設置、女性用トイレに衛生用ナプキン常備、▼休職者の試し出勤の交通費相当支給、▼相対評価、評価・育成システム中止、▼老朽化した庁舎等の建替えなどの要求に対する前進的な回答はなく、きわめて不満の残る内容となりました。
 府労組連は、交渉での到達点を確認し、今回の要求交渉をいったん終結するとともに、秋の要求交渉に向けて、大幅な賃上げ、職員・教職員増をはじめ、働きやすい職場づくりをめざす取り組みを進めます。

職員長交渉での職場からの発言要旨

○府税事務所職員
府税職場では毎年100名規模の転入、新採職員が6~7割を占め、新採ルール中の若手職員をあわせると大半を占める。そのため再任用や50才代職員が第一線で税務行政を支えている。多くの職員が「再任用職員なしに職場はまわらない」と感じている。再任用制度ができた23年前とでは求められる仕事や責任は違う。組織を統括し、処理困難事案と対峙し、人材育成に注力し、最前線で働かざるを得ない状況に置かれている。それなのに6割の給料、3割強のボーナスという制度は職務給原則を壊すもの。再任用を希望せずに市町村の非常勤職員になる人も多い。処遇と賃金が見合ってないからだ。再任用職員の「善意にただ乗り」するのをやめ、実態に見合う職務給の原則に応じた賃金水準引上げを強く求める。

○保健所職員
子どもが学校に行けなくなって3年。コロナ時期からであり、私自身に余裕がなく、子どものしんどさに気づけなかった後悔がずっとある。「学校行ってるとき死んでもいいと思ってた」「何のために生きてるかわからん」と言うことがある。在宅勤務等も推奨されているが、窓口対応や住民サービスのある保健所では難しさを感じる。不登校児のための第三の居場所はあるが、そこにつながる子どもは少数。不登校児の子育てには、親の時間、気力、体力、財力が必要。子どものタイミングもある。休める制度があるだけで救われる。せめて介護休暇等が使えるだけでも助かる。子どものケアをしっかりできるような職場環境を望む。

○小学校教員
府内のある小学校は「穴あき」3名でスタート、現在5名となっている。別の学校では通級担当している先生は「穴あき」のため、1人で28人を担当。「支援が必要な子どもが、普段の学級で他の子とどう関わっているか知りたいが全くできない。子どものことを思うとつらい」と話している。教員未配置は、教員の身体と心だけでなく、子どもの学習権も奪う。無理をして倒れた先生や子育てとの両立に限界を感じて退職する先生が後を絶たない。「穴あき」の連鎖を止めるために教職員を増やしてほしい。

○府立高校非常勤講師
週18時間の非常勤講師。授業準備は授業前後の各5分しか認められていない。プリントの作成や提出物の点検が5分でできるはずがない。認められた年間の労働時間は630時間。実際の労働時間は1070時間。約4割がサービス残業。しかも、この時間に持ち帰りの仕事は含まれていない。プリントやテストは主に自宅で作成しているので、それを含めれば、実際の労働時間は2倍ぐらいになる。それなのにボーナスの支給対象にもならない。非常勤講師の賃金制度は現実の仕事と大きく乖離している。持ち時間あたりの単価を引上げ、月給制に戻してほしい。ボーナス支給基準の改善を求める。

【PDF版(390KB)】

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