My Story ~私と労働組合⑤~ 「おかしいんちゃうか」と 声をあげられるのが労働組合

炭鉱の町で育って

大阪府に入庁し、声をかけていただいたので加入しましたが、私にとって労働組合に入ることへの違和感はありませんでした。

小学校に入る前まで住んでいたのは炭鉱の町。そこで電気工事士として働き、労働組合の役員をしていた父に連れられ、母と一緒に集会やデモに参加していた幼い記憶があったからです。

炭坑では、落盤事故やガス漏れなど、危険がいっぱいです。経営者と交渉で、安全配慮を求めたり、補償を勝ち取ったり…それが労働組合の役割。

父から聞いた話に、「炭坑に入るときは、カナリアを入れた鳥かごを持っていく。ガス漏れがあったら、人間は気づかなくても、カナリアが暴れてガス漏れを知らせてくれる。か弱いもののサインで、大勢の人が助かる」というのがありました。弱い立場の労働者が、「おかしいんちゃうか」と声をあげることが大事ということです。

生理休暇取得率は民主化のバロメーター

入庁当時、先輩方が「生理休暇の取得率は、職場の民主化のバロメーター」とよく言ってました。

生理痛は個人差があります。後輩が、「生理痛がひどいので、生理休暇を取りたい」と言うので、私も生休を取得していました。ハタからみても何ともないようですが、今も鎮痛剤を飲んで仕事をしている女性は結構いるのではないでしょうか。

「明日生休を取得する」と申請したところ、「なんで明日のことがわかるんや」と言われたことがあります。私は二日目がしんどいんです。女性の事情がわからない悲しい人ですね。「お大事に」というねぎらいがあってもいいのに。

そういえば40年も前の話ですが、「妊娠しました」と上司に伝えたところ「困る」と言われた先輩が、更衣室で「なんでおめでとうの一言が言われへんのや!」と怒っていたのを思い出しました。府庁にもそんな時代があったんです。

忘れられない男女雇用機会均等法

長く組合役員をしていて忘れられないのが、憲法14条法の下の平等の精神が垣間見られる昭和60年に成立した、男女雇用機会均等法です。募集・採用、配置・昇進についての均等な取扱いは、事業主の努力義務とされました。一定の教育訓練について、労働者が女性であることを理由とした差別的な取扱いも禁止されました。

この法案成立に向けて、全国の女性の労働組合員が、女性団体とも一緒になって、署名を取り組み、集会を開き、デモをし、そして国会にも出かけて、傍聴もしました。

その後、平成3年に成立した育児休業法では、1歳に満たない子を養育するため休業をすることができる、ということを実現させました。それまでは事務職には育休が無かったのです。今では、取得率は低いですが、男性も育休が取れるのです。

カバンにはボロボロの憲法手帳

さて、私のカバンにはボロボロになった憲法手帳が入っています。憲法に則った政治がされれば、コロナ禍であっても日本はもっと国民・労働者が安心して生活できるのにと常々思っています。

第25条第2項に「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とあります。

かつて府職労は、障がい児通園施設「府立八尾学園」の移管問題を取り組み、構成劇「明日にむかってよーいドン」を製作・上演しました。そのとき、この25条2項を歌にしたのですが、この25条2項の精神があれば、コロナ禍で生活が苦しむ人を減らすことができるのではと思います。憲法を変えるなんてもってのほかです。

あなたも、おかしいことには、おかしいんちやうか(構成劇のセリフにもあります)、と声をあげましょう。

 

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