救える命も救えない~府立医療センター 看護師の声

府立医療センター 看護師の声

 本日コロナ病棟応援に。今までの経験で見たことのない情景。人工呼吸器・ハイフロー(高流量酸素療法)、ほぼ全員点滴。ステロイド点滴してるので血糖チェック。少しの体動で酸素濃度が低下するのでほぼ全員オムツ装着。

 コロナ病棟に異動となり、そこで勤務していた20歳代の看護師が退職されることになりました。コロナ患者さんに向き合い、一生懸命に頑張っていた方です。「もうコロナ嫌だ」と。ただただ悔しいです。

 認知症や精神疾患のコロナ患者さんもいます。いきなり唾をかけられたり、「この野郎」と罵られたり。認知症でなくとも不安やストレスをぶつけられることもあります。

 先月、同僚がコロナ感染。生死の境をさまよいました。それを聞いたとき、身近な仲間を失う恐怖を感じ、足の震えが止まらなくなりました。

 飛沫(しぶき)が飛んだら危険なので、清拭や洗髪は、使い捨ておしぼりを使用。「ほんとは熱いお湯でタオルを絞ってしたいんです。ごめんなさいね」と声をかけながら行っています。

 昨日入院された50代前半男性の症状が一晩で急に悪化。ハイフロー(高流量酸素療法)でも酸素飽和度は上がらず、本日夕方に挿管。呼吸苦の自覚がなく挿管前も「ほんとにしないとダメなんですか」と話していたほどです。在宅死がいつ起きてもおかしくないと感じました。

 挿管患者を管理できる病床もスタッフも不足し、挿管待ちの患者さんが何人もいて、看取りも多く、命のトリアージが始まっていると感じます。府の入院フォローアップセンターに転院調整しても受入れ先がみつからず。本当であれば救える命も救えない事態になっています。

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