チームワークや協力体制を壊す 矛盾だらけの相対評価

「職員基本条例で決まっている」というなら条例を見直すべき

職員の大反対の声を無視し、2013年度から相対評価による人事評価制度が本格導入されました。その後、毎年実施される職員アンケート等による検証によって、人事評価制度の目的に反し、職員の意欲や能力の向上にはつながっていない実態が明らかになっています。 府職労は一貫して相対評価の中止を求めるとともに、せめて給料や一時金(ボーナス)への反映をやめるように求めています。 「相対評価は中止しかない」「職員基本条例は廃止、見直しを」の声をさらに大きく広げ、やりがいのある仕事ができる職場をつくりましょう。

おこる人たち

職員基本条例がある限り解決されない「下位区分落とし」

相対評価の最大の問題は、絶対評価でB「標準・良好」と評価された職員が、相対評価によって第四、第五区分へと落とされることです。これは、職員基本条例で各区分の分布比率が定められている以上、絶対に解決しない問題です。「なぜ100点満点の仕事をしているのに、昇給や一時金でペナルティを課されなければならないのか」との質問に対しても「職員基本条例で決まっているので」としか答えられない状況です。 今年度も絶対評価Bの職員のうち1115人(約19%)の職員が下位の区分に落とされています【表①】。

表1

職員アンケートは、約86%(6885人)が回答しました。アンケート結果の状況・分析では、相対評価について「納得できなかった」は約21%となり、絶対評価結果に「納得できなかった」割合(約13%)を上回っています。 納得できなかった理由は「説明が不十分」であることと現行の相対評価制度に関する不満が主な原因となっています【グラフ②③】。 これらの不満の原因は、いずれも相対評価制度の根本的な仕組みに関するものばかりであり、これらの解消には、制度そのものを見直すしかありません。

グラフ2と3

 

 

「そもそも説明できない」のが相対評価

絶対評価結果については約91%の評価者が「十分な説明を行うことができた」と回答していますが、相対評価結果では約49%の評価者が「十分な説明ができなかった」と回答しています。その理由については、約64%が「そもそも相対評価を十分に説明すること自体が困難」と回答しており、相対評価結果について説明することができない実態が明らかになっています【グラフ④⑤】。

グラフ4と5

 

 

昇給への反映は直ちに中止すべき

絶対評価Bであっても、相対評価で下位評価となった場合は、昇給が抑制されることになっています。これによって約53%が「給与反映の改善が必要」と答えています【グラフ⑥】。

 

グラフ6

改善内容についても約23%が「絶対評価Bの場合は昇給号数を4号とする」と答え、約15%が「昇給効果を単年度に限定または挽回できる制度とする」ことを求めています【グラフ⑦】。

グラフ7

評価制度は「執務意欲の向上」には逆効果
業務量に見合った人員配置こそ必要

アンケート結果では、約70%の職員が高い意欲を持って仕事をしていると答えています【グラフ⑧】。意欲が向上した主な要素としては「職員自身の成長に関するもの」が約32%、「自分の能力発揮に関するもの」が約28%となっており、「人事評価結果」はたったの1・5%です。

グラフ8

その一方で、意欲が低下した主な要素は「自分の能力発揮に関するもの」が約21%、「業務量が多い」が約17%、「仕事がつまらない」が約14%、「人事評価結果」が約10%と続いています【グラフ⑨】。

グラフ9

この結果から言えることは、評価制度は職員の「執務意欲の向上」に逆効果であり、業務量に見合う人員配置ややりがいのある職場づくりこそが必要だということです。

各部局からも相次ぐ厳しい指摘

各部局からも「職員の能力、実績にほとんど差がない場合、下位区分に位置付けられた職員は、昇給や勤勉手当において影響を受けることになり、モチベーションの低下を招く」「絶対評価結果がBである職員に昇給抑制をすべきではない」などの意見も出されています。

「全国的にも」「民間でも」異例な制度

全ての都道府県で人事評価制度が導入されていますが、絶対評価による人事評価制度を導入している団体が38団体、相対評価を導入している団体は、大阪府を除いて8団体のみ(うち3団体は一部の職員のみ)にとどまっています。しかも、大阪府のように下位区分まで設定している団体はなく、府当局も「絶対評価が主流であり、本府のような全職員を対象とした相対評価を導入している団体はない」と明言しています。

民間企業の動向についても「民間企業においては、本府のような厳格な分布割合による相対評価を導入している企業はなかった」と指摘しています。

地方公務員法では、職員の給与については「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない」とし、勤務条件についても「国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない」と定められています。

これらの趣旨からも大阪府の相対評価制度が異常であり、これ以上続ける根拠がどこにもないことは明らかです。

この間の検証で浮き彫りに!相対評価は直ちに中止を

これらの結果を踏まえて「検証の総括」では「他府県・民間企業の動向等を注視しながら、引き続き人事評価制度のあり方を検討するとともに、さらに納得感を向上させ、執務意欲の向上につなげていく必要がある」と述べています。

しかし、この総括では、毎年同じことが繰り返し述べられていますが、矛盾や問題点は何も解消されていません。それは、相対評価を中止する以外に方法がないということです。

府職労は制度導入前から一貫して「職員を無理やり下位区分へ落とすような相対評価は、職員のやる気を低下させ、チームワークをこわし、職場の風通しを悪くするだけだ」と指摘し、中止を求めてきました。

引き続き、職員の声を背景に、相対評価を中止し、絶対評価を基本とする職員のやる気向上につながる制度への見直しを求めて取り組みを強化します。

ページトップへ