過酷な職場実態を示し、改善を求め厳しく追及 府人事委員会勧告の取り扱いは「鋭意検討中」

 11月8日、府労組連(府職労・大教組)は10月26日に提出した「2021秋季年末要求書」にもとづき、事務折衝を行いました。過酷な職場実態にもとづき追及し、誠意ある回答を求めました。

 事務折衝の冒頭に、労使慣行の遵守について、コロナ禍の中で、労使で話し合い、信頼関係のうえに、緊急・異例の取り組みも行ってきたことを踏まえ、今季の交渉についても日程や規模を縮小して行っているが、本来であれば従来どおり団体交渉等を行うべきとの考え方を労使双方で確認しました。

コロナ禍での職員の奮闘に応える賃上げを

 事務折衝では、当局より「人事委員会勧告の取扱いについては、国の取扱いや本府の財政状況等を踏まえ鋭意検討している」との考え方が示されました。
 府労組連は「この間のコロナ禍の中で、府職員・教職員は誰よりも頑張っている。府民の理解も得られる。2年連続の一時金削減などあり得ない」と追及し、職員のモチベーション向上につながる回答を求めました。
 会計年度任用職員の賃金について、大阪府の会計年度任用職員の給与水準が他都道府県に比べて下回っていることを指摘し「最低賃金に追いつかれて慌てて引き上げるなどあってはならない」と、今すぐ改善するよう求めました。また、現状においては、会計年度任用職員の一時金の引下げを行わないよう強く求めました。また、臨時教職員の教育職給料表2級適用についても強く求めました。
 定年引上げについては、大まかなスケジュールだけでも早急に示すよう求めました。

コロナ禍での評価制度は中止すべき 

 相対評価について、府労組連は「どんなに検証しても根本的な解決には至っていない。10年近くやってきて、問題解決しないのであれば根本的に見直すしかない」「職員も教職員も、コロナ禍の中、通常業務以上の対応をしている。まさに府庁一丸、学校一丸となって取り組んでいる。その中で評価制度をやることに異論も続出している」と追及し、せめて今年度は評価制度を中止するよう求めました。

異常な時間外労働を今すぐ解消せよ

 府労組連は、職場の声(裏面に掲載)を踏まえ「長時間労働の問題は、職員の命にかかわる問題である。これまで人を減らし過ぎたことを反省すべきである。コロナ前でも80時間を超えるような時間外勤務実態が何年も放置されてきた。保健所は人が増えれば、それだけ予防活動も広げられる。ケースワーカーも足りていない。災害時に対応するには、せめて通常時は残業がない状態にしなければならない」と追及し、災害時等にも十分に対応できる職員増を求めました。
 また、精神的に相当な負担を強いている夜間の電話対応(携帯電話を持ち帰っての対応)の負担軽減するよう強く求めました。

教職員を増やし「未配置」を解消せよ

 この間、府教委当局もさまざまな努力をしているが、学校現場の長時間労働が解消していない問題について、府労組連は、直ちに具体的な方策を示すよう求めました。また、小中学校の「教員未配置」の実態についても「定数内講師が増え続けているのが大きな要因であり、大阪府としてさらに努力すべき」と指摘し、定数内講師の多用ではなく、正規教職員を増やすよう求めました。

休暇制度の拡充、非常勤職員の待遇改善を

 子育てにかかわる休暇制度や不妊治療休暇の有給化と拡充、非常勤職員の休暇制度改善等については「国の動向等を注視する」との考え方が示されました。府労組連は、国の制度化に遅れることなく、大阪府としても実施するよう求めました。
 また、休暇制度が新設・拡充されても、多忙のため取得できない実態も示し、休暇の取得できる環境づくりや制度の周知徹底についても求めました。
 昨年度、大阪府が実施した「女性活躍推進アンケート」でも、子育てのための休暇制度の取得しにくい理由は「多忙」が73%、何が必要かの問いには「人員配置」が男女ともトップで約7割の回答となっています。

生理休暇の取得しやすい職場を

 生理休暇は、女性特有のものでもあり、「申請しづらい」という雰囲気があり、取得している女性職員が極めて少ない実態があることを指摘し、女性職員・教職員だけでなく、全体に広く啓発するよう求めました。
 府職労が実施した女性部アンケートでは、回答者の半数が「月経トラブルがあった」と答えているにもかかわらず、生理休暇取得したのは6%のみとなっています。症状は人によってさまざまありますが、男性には理解できないしんどさもあり、無理せずに「生理休暇を取ります」と言える環境づくりが必要です。

 現時点では、私たちの要求に対する前進的な回答や考え方は何も示されていません。府労組連は引き続き、事務折衝を重ね、要求の実現・前進をめざします

【PDF版(約2.5MB)】

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