パンチ島田のさすらい放湯記

人吉温泉 元湯

昭和九年創業の公衆温泉。令和二年七月豪雨による球磨川の決壊で汚泥に覆い尽くされ存廃の危機に見舞われたが、泉源に影響がなかったのが不幸中の幸い。屋根と柱以外の木製部分は大改築を余儀なくされるも、常連はもとより全国の愛好家からもその費用や作業の支援が届き、入浴料を少し上げることで在りし日の姿が戻った。 真新しい木の香りと新設のシャワーを除けば、瓦屋根と白壁に、浴槽は石造りの小さなものが一つというのは変わらず。 微かに湯の花が舞う無色透明の源泉が絶え間なく注がれ、気泡が優しく包んでくれる。番台の若き五代目を労うと、笑顔で応えてくれた。

※温泉情報

①入浴施設・〇九六六(三二)八六三二

②熊本県人吉市麓町九(JR肥薩線人吉駅から徒歩二十分)

③三百円

④低張性―弱アルカリ性―高温泉・ナトリウム―炭酸水素塩・塩化物泉、神経痛・筋肉痛など

公式サイトhttps://peraichi.com/landing_pages/view/motoyu/

(島田祐輔)

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