誰もが安心して働き続けられる社会をつくるために声をあげよう

大阪府職労 執行委員長 小松 康則

このままではまともな生活も命までも奪われかねない

――もう無理でした。僕ってこんな弱い人間だったんですかね…

いつも笑顔が素敵だった彼が、異動した職場で毎月80時間以上の残業が続き、涙を浮かべながらメンタル疾患を発症したことを話してくれたのは、ちょうど昨年の今頃でした。

――忙しいときは夜中の2時半に退勤し、タクシーで3時に帰り、4時に寝て、また朝出勤する日々で、常に寝不足とだるさ、吐き気などの体調不良がありました。第6波の時は、動悸や息のしづらさも感じ、初めて、過労死するかもしれないと危機感を覚え、これ以上体調が悪化すれば、辞めざるを得ないと思いました。

これはコロナ対応の最前線にいた若い保健師から寄せられた言葉です。

職員は住民の命と暮らしを守るため、自分の健康や家族を犠牲にしながら懸命に働いています。それなのに、この2年間、全国的に一時金(ボーナス)が削減され、給料も上がっていません。

「見て見ぬふりはしたくない」だから声をあげる

このようなことが本当に正しいことなのでしょうか。「仕方ない」で済ませられるのでしょうか。私はどうしても納得できませんでした。「見て見ぬふり」はしたくないと思いました。

府職労は、労働組合として、こうした状況を改善するために声をあげ続けています。

保健師や保健所の職員のみなさんといっしょに「保健師、保健所職員増やしてキャンペーン」に取り組み、オンライン署名では6万4千人の賛同を集め、保健師と職員の増員を実現しました。その他にも、コロナ感染やワクチン接種にかかる職免制度の実現、不妊治療休暇(出生サポート休暇)や小学校3年生までを対象とする子育て部分休業など、さまざまな制度も実現してきました。府立病院では一時金(ボーナス)の削減も阻止しています。

しかし、まだまだ深刻な長時間労働の問題は解消されていません。その大きな原因は、この数十年間、職員を減らし続けてきたからです。

いま府職労では、職員の命を守るため、全国の仲間と労働基準法の見直しや基準づくりを求めるキャンペーンも進めています。

私たちの働き方は政治と大きく関わっている

私たちの働き方、労働条件、仕事の内容は、政治の影響を大きく受けます。働く人のための政治、住民の命と暮らしを守る政治の実現が求められています。

こんな話をすると「労働組合は政治的だ」とか、「政治のことばかりやっているのでは」という声をお聞きすることもあります。

日頃から府職労の活動を見ていただいているみなさんにはおわかりいただけると思いますが、私たちは「政治的な活動ばかり」なんてしていません。府職員や府立病院をはじめ関係職場で働く職員が安心して働き続けるための活動を続けています。

私たちの労働条件や生活を良くするためには、政治と無関係ではいられません。

「無関心」では守ることができない

私は真剣に、働く仲間のみなさんの命や健康、ご家族との日々の穏やかな暮らしを守りたいと強く思っています。だからこそ、政治に対して声をあげることも必要だと考えています。

来月10日には参議院選挙が行われる予定です。「無関心」では、何も守ることができませんし、何も変えることはできません。勝手に現状が良くなることはありません。

「選挙」は誰もが政治に対して声をあげることのできる大切な機会であり、民主主義の根幹となるものです。ぜひ、みんなで声をあげましょう。

「不況だから仕方ない」「コロナだから仕方ない」は通用しません。こんなにも実質賃金が下がり続けているのは政治の責任ではないでしょうか。

2022年度の防衛費は国内総生産(GDP)比1%程度の約5兆4000億円でした。これに対し、自民党はGDP比2%以上の大幅増を政府に提言し、岸田首相も「相当な増額」を表明しています。2%以上に増額するには、さらに5兆円規模の予算が必要となります。

コロナ禍や物価高で国民の暮らしが厳しくなっているもとで、他にしなければならないことは、もっとあるのではないでしょうか。

働きやすい労働条件、職場を作るため、生活を改善させるために必ず投票に行きましょう。

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