12月は職場のハラスメント撲滅月間
みんなが労働組合に加入して
ハラスメントの起きない働きやすい職場をつくろう

ハラスメントのない職場をめざす学習会をオンライン開催

12月は職場のハラスメント撲滅月間です。それを前にした11月23日、府職労は「ハラスメントのない職場をめざす学習会」をオンラインで開催しました。

大阪労災職業病対策連絡会の藤野ゆきさんを講師に招き、「ハラスメントを考える―被害者にも加害者にもならないために」をテーマに学びました。話を聞くだけではなく、ブレイクアウト機能を活用し、少人数で分かれて事例検討したり、感想を交流したりする時間もあり、主体的に学びを深めることができました。

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講師の藤野ゆきさん

ジャッジすることより「不具合」を解消することが大事

講義の中では、ハラスメントに該当するかどうかをジャッジすることが大切なのではなく、そういう問題が生じたときに、そこで起きている「不具合」を解消するために行動することが大事であり、そのことが、みんなが気持ちよく働ける職場づくりへとつながっていくということが繰り返し強調されました。

セクシャルハラスメントとは?

職場におけるセクシャルハラスメントは労働者の意に反する「性的な言動」により就業環境が害されること。これは同性に対するものにも含まれ、「職場」とは普段の仕事場だけではなく、それ以外の場所であっても、業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれます(※1)。

また、セクシャルハラスメントには「対価型」と「環境型」というものがあります。

「対価型セクシャルハラスメント」は労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)によって、拒否や抵抗をした労働者が解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否など、客観的に見て不利益な配置転換など労働条件で拒否をした本人が不利益な扱いを受けることです。

「環境型セクシャルハラスメント」は労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業するうえで看過できない支障が生じることです。

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パワーハラスメントとは?

職場におけるパワーハラスメントは、職場内での優位性や立場を利用して、労働者に対して業務の適正範囲を超えた叱責や嫌がらせを行う行為のことで、身体的侵害、精神的侵害、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害という6つの類型に分けられています(※2、※3)。

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職場で起きている「不具合」を声に出せるように

講義ではハラスメントの定義や事例をわかりやすく説明するとともに、具体的なケースについて少人数で話し合う時間もありましたが、そこで重要なことは個々のケースがハラスメントに該当するかどうか判断することよりも、何らかの訴えや相談がある時点で、職場に不具合や問題が起きているサインであるということ、受け止める必要があるということを学ぶことができました。相談者とのコミュニケーションの重要性や「不具合」や問題が起きていると感じたときに相談できる場があることが大事です。

こうした適切な対応がされなかったため、問題が解決されずに長期化する事態も実際に起きています。学習会のあとには、長期化した事案のハラスメント被害当事者の方の事例共有もあり、あらためて学びを深めることができました。

参加者からも「ハラスメント案件を長期化させないためにも研修にいれるべきという思いが伝わりました」「長期化する問題、また話しにくい内容を聞けてよかったです。被害者をさらに増やさないために話してくれたのだと感じました」との感想も寄せられています。

労働組合の役割の大切さを実感

学習会の最後に小松委員長は「この学習会を通じて労働組合の役割の大切さを実感しました。何か「不具合」が起きたときに、いち早く察知することに労働組合の役割があります。いち早く『おかしいな』ということに気づいて、問題を解決して、働きやすい職場をつくっていくことができるのが労働組合です。そのためには労働組合が職場の中にあって、労働組合の役員や組合員がいて、『おかしい』と察知できる人がいることが必要。そのためにもみんなが労働組合に加入することが求められている」と労働組合の役割の重要性を強調しました。

参加者の感想(抜粋)

ハラスメントは判断が大事なのじゃなく起きないようにすることや相談ができる場をもっと知らせていかないといけないし、自分が人を傷つける可能性があることを常に考えないといけないと感じました。

ジャッジメントではなく、「不具合がある」「違和感がある」は重要なキーワードだと思いました。

身の回りに相談できる人がいるか、いないかで結果が変わってくるなと強く感じます。

話を聞くだけでなく、事例を何人かで話し合うところなどいろいろな意見が聞けてよかった。

ハラスメントかどうかジャッジすることが重要ではなく、訴えがある限りそこに「不具合」があるということがよくわかりました。「あれっ?」と思うことはあっても、「何にあれっ?」って思っているのか、自分の中でわからないこともあるので、周囲の人に相談しようとあらためて思いました。逆に相談されたときは、その方のお話をじっくり聞こうと思いました。

当事者が、不具合があれば、すぐ対応する。労働組合として受け止めて対応したい。

今後も開催することで、ハラスメントに関する知識を広めることになるのでとても開催は大事だと思う。

グループワークとても良かったです。複数回あるのも良かったです。いろんな視点でみんなで話せるのはやはり良いですね。

判断しないこと、いち早く対応する。そのために労働組合の存在があらためて大事と感じた。

グループワークがあったので、実際に自分のこととして考えることができました。

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